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執筆者の写真松下 尚士

不動産会社や不動産営業マンが言いがちな嘘とは?絶対に嘘をつかせない方法も解説

不動産を購入する時も売却する時もたいていの場合には不動産仲介会社に依頼すると思います。不動産営業マンと不動産の売買について条件を詰めたり、取引の仲介をしてもらうわけですが、不動産営業マンも営業マンである以上はなんとかして取引を成立させたいと思っています。


特に不動産業界のように競争が激しく、取引単価の大きい商売では、営業マンの押しも強くなります。目の前にいる営業マンが自分の数字のことしか考えていないのか、それともお客さんのニーズも考えて行動してくれているのかを見抜くことは簡単なことではありません。この記事では、不動産営業マンがお客様に言いがちな嘘や嘘を可能な限り回避する方法を解説します。


 
目 次


 

不動産営業マンは嘘をつくのか?

結論からいえば、不動産営業マンはよく嘘をつきます。

嘘をつく理由は簡単で「数字のため」です。不動産業界は仲介会社で溢れかえっており、熾烈な競争を繰り広げています。特に最近では利益率の低下した金融業界が不動産業界に参入するケースがあり、競争が激しくなっています。


また、不動産の取引では一度に数千万円から数億円のお金が動きます。目の前の契約を取りたいために嘘をついてしまう営業マンは少なくありません。不動産は一見すると単純そうで、実は非常に専門性の高い業界です。

仲介を依頼するお客様の多くは不動産の相場やマージンの計算方法などに疎い方も多く、不動産営業マンからすれば、「騙しやすい相手」ということになります。


不動産営業マンが言いがちな嘘

営業マンの中でも不動産の営業マンは特に嘘を言いがちです。しかし、不動産業界で働いたことのない方からすれば、嘘を見抜くことは容易ではありません。

ここからは不動産営業マンが言いがちなよくある嘘を紹介します。

これらの言葉を聞いたら「今の話は嘘かもしれない」と注意して聞くようにしましょう。


「必ず売れる」という嘘

持っている不動産を売却したいと仲介会社に依頼すると、営業マンが派遣されて、物件の査定を行います。

簡単な査定の後で価格の説明や不動産相場について説明すると、いよいよ契約の話になります。

不動産は1つの物件につき何千万円というお金が動きますので、営業マンとしてはどうしても契約を取りたいと考えています。


そして、契約の話をするときに営業マンが言いがちな嘘が「必ず売れます!」です。

「売れる」という言葉を聞いてほっと一安心するかもしれませんが、不動産取引の世界に「必ず」「絶対」という言葉はありません。したがって、断言調で話す営業マンは経験が足りないか、契約がほしくて嘘をついている可能性があります。営業マンが「必ず売れる」「絶対売れる」という断言調で話した場合には、その時点でその営業マンは信用できないものと判断して問題ありません。

ただし、一つ心配なのは「売るために値段を下げる」ことです。不動産の売却価格は時勢や経済状況、地域などによって全く変わります。


営業マンならば、相場より少し高値で売るのがベストですが、売るために相場をかなり下回る売却価格を提示してくることがあります。この場合、なんとかして売却して、取引手数料を取ることが目的ですので、どちらにせよ信用できません。


「今が売り時です」という嘘

不動産の営業マンがつく嘘で最も多い嘘が「今が売り時です」という嘘です。

不動産の売却を考えている方が不動産仲介会社に物件の売却を相談すると、かなりの確率で「今が売り時です」「今なら高値で売れるかもしれません」「今が不動産市場のピークです」といった宣伝文句を聞くことになります。

こういった嘘は不動産業界に関する知識のない方を簡単に騙すことができます。お客様からすれば、「今が売り時なのか。それなら一番高く売れるうちに売っておこう」と思うからです。


このように不動産会社から「今が売り時ですので、今のうちに契約しましょう」と言われた場合には公示地価を確認してください。実際のところ不動産の相場を知りたい場合には「公示地価」を確認するのが一番手っ取り早いです。


公示地価とは、国土交通省が毎年1月1日時点の全国の不動産を対象に行う調査に基づいて発表している土地の価格であり、不動産取引の基準としても利用されています。もちろん、最新の需給バランスや経済状況にも左右されますが、不動産価格のおおまかな価格や傾向を知る上では参考になるはずです。

しかし、ほとんどの人は公示地価の存在すら知りません。不動産の営業マンが売りどきだといえば、焦って査定を依頼する人がほとんどです。

営業マンからすれば、早く売れれば売れるほど、自分の成績にすぐに反映されるので、嘘をついてしまうのです。


営業マンのいう「今が売り時です」という文句は冗談半分で聞いておきましょう。事前に公示地価を調べておけば、ベターです。


売りに出していない物件を掲載しておく

不動産を購入したいと考えているお客様に対する嘘でありがちなのがこちら。

お客様からの問い合わせを増やす目的ですでに売れてしまった物件をあえてホームページから削除せずに、放置しておきます。売れてしまった物件の中でも特に見栄えがよく、人気の地域に立地していながら、相場よりも低い価格で購入できた物件が掲載されています。それを見た買い手は「チャンスだ」と思って不動産仲介会社に連絡するのです。


その物件を目当てに連絡すると、「ご案内しますので、ぜひ弊社の事務所までお越しください」と言われます。しかし、訪問したところでお目当ての物件については「残念ながら、最近売れてしまった物件でございます」と嘘を伝えるのです。そして、「先程の物件は売れてしまいましたが、こちらにおすすめの物件がございます」と売却したい物件を勧めてきます。お客様としてはがっかりしてしまいますが、営業マンとしては「とにかく問い合わせを増やしたい、数打てば当たるから、契約につながればラッキー」としか思っていません。


この嘘については、物件を掲載している不動産会社に行く前に2通りの見抜く方法があります。

1つ目は他の不動産会社に物件を照会してみることです。ホームページに掲載されていなくても、担当エリアの物件の売買情報はどこの不動産会社も収集しています。他の不動産会社で「すでに売れています」と言われれば、その物件は空いていません。

2つ目は物件を掲載している不動産会社に電話して、「今物件の近くに来ているのですが、案内して頂けませんか」と聞いてみることです。本当に売出し中であれば、喜んで案内するはずです。しかし、「案内したいのですが、オーナーさんに連絡がつかないので、後日でいいですか」とか「現在リフォーム中なので案内ができません」と言い訳をしたならば、嘘をついている可能性が高いです。

もちろん不動産会社を疑って、言質を取る必要はありませんが、人気のはずの物件を売りに出しているのであれば、根拠となる条件を明確にしておくべきです。


疑わしい不動産会社や
不動産営業マンを排除する方法

営業活動を行っている以上は多少の誇張はあるかもしれませんが、あからさまな嘘をつく不動産会社や営業マンは避けるべきです。そのような会社や営業マンに依頼すると、希望する価格での成約が難しくなったり、希望する条件の物件が手に入らない可能性が高くなります。

ここからは、信用できない不動産会社を予め排除する方法を解説します。

これらの必要最低限のことをしておくだけで、希望する不動産取引を行う前提条件を整えることができます。


行政処分歴を確認する

不動産会社に限らず世の中の会社が行政に処分を受けるとデータとして残ります。

不動産会社の場合には、「売り出していない物件を掲載する(おとり物件)」「不動産の売却を依頼された不動産業者が意図的に他の不動産業者に物件を紹介しない(囲い込み)」といった行為が違法とされています。


このような行為をした会社は国土交通省ネガティブ情報等検索システム<宅建取引業者>で確認することができます。


国土交通省ネガティブ情報等検索システムとは、国土交通省が不動産会社などの宅地建物取引業者に対して行った行政処分などをまとめたものです。検索すると、不動産会社の名前や違法行為の詳細を確認できます。この検索システムでヒットした不動産会社は必ず依頼対象から外しておきましょう。


ただし、検索システムに掲載されていない不動産会社の中にも嘘をついたり、信頼に欠ける行為を行っている会社は存在します。掲載されていないからといって盲目に信じることはできません。


複数の不動産会社に依頼する

不動産を売却したい場合には複数の不動産会社に査定を依頼し、購入を希望するときにも複数の不動産会社に相談しましょう。不動産会社は不動産営業マンを派遣してきますが、不動産会社ではなく、営業マン個人で判断してください。


同じ不動産会社であっても、平気で嘘をついたり、信頼に足らない行為をする営業マンはいます。

その反対に売り主と買い主、そして不動産会社の利益のバランスをうまくとって、誠実に対応できる営業マンもいます。不動産会社がたとえ大手であっても安心せずに、営業マンの人となりを判断しましょう。



不動産営業マンに
絶対に嘘をつかせない方法

不動産の営業マンがどのような嘘をつく可能性があるのかを把握したり、行政処分歴を調べるなどして悪質な不動産会社を排除することで、嘘をつかれる可能性を下げることはできます。しかし、どんなに神経を張り巡らせても、不動産という専門的な商材では、営業マンと顧客側の知識に大きな偏りがあり、嘘を完全に見抜くことは不可能です。


ただし、嘘を見抜くことはできなくても、そもそも嘘をつかせないことはできます。

ここからは紹介する方法は少々強引ですが、「営業マンに嘘をつかれることは絶対に避けたい」と考えている場合に活用できます。


営業マンに質問する

例えば、不動産の営業マンに査定結果の根拠について聞いてみましょう。「仲介と買取でなぜこれだけ価格が違うのですか?」「買取の価格を上げることはできませんか?」「買取の価格の根拠を教えてください」といった疑問に思った質問を営業マンに投げかけてみて下さい。


不動産の営業マンであっても人間です。質問をした時に目が泳いでいるような営業マンや説明に明確な根拠がない営業マンは信頼に足らないかもしれません。例えば、どのような質問に対しても「会社の規定によってこれ以上の買取価格は提示できません」「上司が言うには買取価格の相場はこのようになっています」といった「あくまで自分には責任がありません」とアピールするような言い回しは基本的に責任を負うことを嫌う無責任なタイプです。このような営業マンは不動産取引という売り手と買い手、そして不動産会社の3者の利益のバランスを注意深く探るような仕事において、このようなタイプは平気で嘘をつくでしょう。


あえて、営業マンを質問攻めにすることで、もし根拠のない回答が返ってきた場合には、営業マンにプレッシャーをかけることができます。嘘をつかせない効果としては大きくはありませんが、「やらないよりはまし」レベルには効果があります。


相談中に録音させてもらう

あからさまな方法ですが、不動産の営業マンと相談する時に相談内容を録音させてもらいましょう。ここで、注意したいのは、営業マンに無断で録音しても、営業マンは何らプレッシャーを感じることがありません。


したがって、不動産の査定や購入の相談で不動産の営業マンが派遣されてきた時には商談が始まる前に録音する許可をもらいます。たいていの営業マンは「録音しないでください」とは言いませんので、堂々と相談内容を録音することができます。

ただし、録音の許可をもらうときには「あなたの嘘を見抜くために録音させてください」ではなくて、「後で相談内容を復習したいので、相談中に録音させて頂いてもよろしいでしょうか」と最もらしいことを言いましょう。


録音素材が役に立つかどうかは分かりませんが、録音していることで営業マンに「下手なことは言えないな」という心理的プレッシャーを与えることができます。営業マンの目の前で録音するという方法は少々強引な方法に感じるかもしれません。しかし、不動産売買は私たちが人生で経験する中で最も大きい金額の取引です。絶対に失敗しないためにも営業マンが嘘をつかないようにプレッシャーをかけることは決して悪いことではありません。


嘘をついたら訴えると警告する

不動産会社から営業マンが派遣されてきた時に「相談中に嘘をついたらあなたとあなたの会社を訴えます」と警告する方法です。相談内容を録音する方法よりもさらに強引ではありますが、営業マンの嘘を防ぐという意味においては効果的な方法です。


実際のところ不動産売買に関する相談中に営業マンが多少の嘘や誇張を述べたところで、ただちに詐欺罪とはなりません。詐欺罪として訴えるためには営業マンが「真実でないことを真実として述べた」ことを立証する必要があります。ただし、実際に嘘をつかれた場合に本当に訴えるかどうかは別として、最初から訴えると言っているお客様に対しては営業マンも慎重にならざるを得ません。


残念なことに不動産業界は営業マンが嘘をついたり、誇張することが珍しくないので、不動産の営業マンを信用できないと考えるお客様は少なくありません。そのようなお客様の中には実際に営業マンに対して、「嘘をついたら、訴えます」と警告する方もいます。営業マンにどう思われるかよりも、「なにがなんでも営業マンに嘘をつかれるのは嫌だ」と考えている方であれば、この方法を実際に試してみてもいいかもしれません。



不動産の営業マンは
疑ってかかりましょう

不動産の売買は私たちの人生において最も大きな取引です。

不動産取引において、不動産の営業マンは少しでも高く売りたい売り手と安く買いたい買い手、そしてすぐにマージンを取りたい不動産会社の利益のバランスを考えて契約を導く存在です。だからこそ、平気で嘘をつくような不動産の営業マンや不動産会社に取引を任せることはできません。


営業マンのなかでも不動産業界の営業マンは嘘や誇張を多用する傾向にあります。疑ってかからないといけないというわけではありませんが、「不動産の営業マンは嘘をつくかもしれない」という認識で接客を受けた方が騙される可能性は低くなります。


この記事で紹介した不動産の営業マンが言いがちな嘘を聞いたら、疑いの姿勢を持って、接しましょう。そして、嘘をつかせないために対策を取って、営業マンと対等な関係で売買の相談をすることが大切です。



 

この記事を書いた人










松下 尚士

RISOREAL(リソリアル)の創業者兼CEO。

工務店、不動産仲介会社、設計事務所を経て独立。

不動産トラブル、優良な取引を目指し日々奮闘中。

これまで不動産エージェントとし、600件以上、請負契約・施工会社の紹介として300件以上の実績をもつ。

現在はInstagram・TikTokを日々更新中。






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